「マーケティング」と一口に言っても、相手が一般消費者なのか、企業の担当者なのかによって、有効な考え方や施策は大きく変わります。企業を顧客とするマーケティング活動全般を指すのがBtoBマーケティングです。
BtoBは「Business to Business」の略で、企業間取引を意味します。Web制作会社やSaaS企業、製造業の法人営業部門など、法人顧客を対象とするビジネスであれば、業種を問わずBtoBマーケティングの考え方が関わってきます。
BtoCマーケティングとの違い
BtoBマーケティングがBtoC(一般消費者向け)マーケティングと大きく異なる点は、主に次の3つです。
- 検討期間が長い:数万円の買い物と違い、法人契約は稟議・予算確保・比較検討に数週間〜数ヶ月かかることが珍しくありません
- 意思決定者が複数いる:現場の担当者、決裁権を持つ管理職、経営層など、複数の立場の人が意思決定に関与します
- 論理的な検討がベース:感情や衝動よりも、費用対効果や導入実績、信頼性といった合理的な判断軸が重視されます
そのため、BtoBマーケティングでは一度の接点で購入・契約に至ることは少なく、時間をかけて信頼関係を築きながら検討を後押しする設計が必要になります。
BtoBマーケティングの主な施策
見込み客を集める(リード獲得)
SEO記事やホワイトペーパー、ウェビナーなどを通じて、まだ顕在化していないニーズを持つ企業担当者との接点をつくります。インバウンドマーケティング的なアプローチが中心になりますが、展示会やテレアポといったアウトバウンドマーケティングの手法も並行して活用されます。
見込み客を育てる(リードナーチャリング)
資料請求や問い合わせをした段階では、まだ「検討開始」に過ぎないケースがほとんどです。メールマガジンや事例コンテンツの配信を通じて、検討度合いを段階的に高めていきます。
商談・受注につなげる
検討度合いが高まった見込み客に対して、インサイドセールスが電話やオンライン商談でヒアリングを行い、必要に応じてフィールドセールス(訪問営業)へ引き継ぎます。マーケティング部門と営業部門の連携が、受注率を大きく左右します。
BtoBマーケティングを進める上での注意点
マーケティングと営業の分断を防ぐ
マーケティング部門が「リードの数」だけを追い、営業部門が「質の低いリードばかり回ってくる」と感じてしまう状況はよくある失敗パターンです。どの状態のリードを「商談化可能」とみなすか、部門間で基準をすり合わせておくことが重要です。
CRMで顧客情報を一元管理する
検討期間が長く、複数の担当者が関わるBtoBでは、誰がいつどんな接点を持ったかという情報が散逸しやすくなります。CRMを活用して顧客情報を一元管理することで、部門をまたいだ連携がスムーズになります。
まとめ
BtoBマーケティングは、検討期間が長く意思決定者が複数関わる法人顧客を対象に、リード獲得からナーチャリング、商談化までを一貫して設計するマーケティング活動です。マーケティングと営業の連携を意識しながら、自社に合った施策を組み合わせていきましょう。
関連用語
- インサイドセールス — 電話やオンラインで商談を進める内勤型の営業手法
- インバウンドマーケティング — コンテンツを通じて見込み客を引き寄せる手法
- アウトバウンドマーケティング — 企業側から積極的にアプローチする手法
- リードジェネレーション — 見込み客を獲得するための活動全般
- CRM(顧客関係管理) — 顧客情報を一元管理し関係構築に活用する仕組み