Webサイトを作ろうと思ったとき、制作会社や担当者から「ドメインはお持ちですか?」と聞かれたことはないでしょうか。なんとなく「URL的なもの」という感覚はあっても、実際どういうものなのか、どう選べばいいのかまではなかなかわからない、という方が多いかと思います。
この記事では、ドメインとは何か・どんな仕組みなのか・ビジネスサイトではどう選べばいいのかを、専門知識がなくてもわかるように丁寧に解説します。
ドメインとはインターネット上の「住所」のこと
ドメインとは、Webサイトの場所を示す「インターネット上の住所」のことです。
たとえば、当社のサイトURL https://sinciate.co.jp/ の中で、sinciate.co.jp の部分がドメインに当たります。人間でいえば「住所」、お店でいえば「店の所在地」に相当します。
インターネット上には無数のWebサイトが存在しています。それぞれに「住所」がないと、ユーザーがどのサイトにアクセスしたいのかをシステムが判別できません。ドメインはその判別を可能にする、いわば「インターネット上の番地」です。
ドメインの仕組み(IPアドレスとDNS)
ドメインの背後には、少し技術的な仕組みがあります。難しく感じるかもしれませんが、概要だけ押さえておくと、ドメインへの理解がぐっと深まります。
IPアドレスとは何か
コンピューターやサーバーは、インターネット上で「IPアドレス」という数字の羅列(例:203.0.113.5)で識別されています。これがサイトの本当の「住所」に相当するのですが、人間が毎回この数字を覚えてアクセスするのは現実的ではありません。
そこで登場するのがドメインです。sinciate.co.jp のように、意味のある文字列にすることで、人間が覚えやすく・打ち込みやすくなっています。
DNSがドメインとIPアドレスを結びつける
ドメインをブラウザに入力すると、まず「DNS(Domain Name System)」というシステムが動きます。DNSは「ドメインの電話帳」のようなもので、入力されたドメインに対応するIPアドレスを調べ、正しいサーバーへ案内してくれます。
このやりとりは一瞬で完了するため、ユーザーは意識することなくWebサイトにたどり着けます。
ドメインはWebサイトだけでなくメールにも使われる
ドメインが活躍するのはWebサイトだけではありません。メールアドレスにも使われています。
たとえば info@sinciate.co.jp というアドレスの場合、@ より後ろの sinciate.co.jp がドメインです。独自ドメインを取得すると、名前@自社ドメイン.jp のような会社専用のメールアドレスも作成できます。
フリーメールアドレス(@gmail.com など)と比べて、会社独自のドメインメールを使うことで、取引先や顧客への信頼感が増します。
ドメイン名の構造を知っておこう
ドメイン名はいくつかの「階層」で構成されています。sinciate.co.jp を例に見てみましょう。
トップレベルドメイン(TLD)
ドメインの一番右側にある部分です。.jp や .com などがこれに当たります。どんな種類のサイトか・どの国のサイトかを大まかに示すもので、ドメインの「顔」ともいえる部分です。
セカンドレベルドメイン(SLD)
TLDの一つ左側の部分です。.co.jp の場合、co がセカンドレベルドメインに当たります。属性型JPドメイン(後述)では .co.jp がまとめてひとつの種別を示します。
サードレベルドメイン(組織名部分)
sinciate.co.jp でいえば sinciate の部分です。ここが「組織名や独自に付けた文字列」に当たります。自由に決められる部分で、ブランドや企業名を入れることが多いです。
ドメインの種類
ドメインにはいくつかの種類があり、用途や方針によって使い分けます。
gTLD(分野別トップレベルドメイン)
世界中で使われている汎用的なドメインです。
.com:商業用として世界でもっとも普及。業種を問わず使いやすい.net:ネットワーク関連サービスで使われることが多い.org:非営利団体や団体系サイトに多い.info:情報提供系サイトに使われることがある
新gTLD(新ドメイン)
近年登場した、より用途が明確なドメインです。
.tokyo、.osakaなどの地域系.shop、.storeなどのEC向け.app、.devなどの開発・アプリ系
選択肢が増えた一方で、まだ認知度が低いものも多いため、よほど意図がない限りは .com や .co.jp のほうが無難です。
ccTLD(国コードトップレベルドメイン)
国や地域ごとに割り当てられたドメインです。
.jp:日本.us:アメリカ.uk:イギリス
日本国内向けに事業展開するなら .jp を使うのが自然です。
属性型JPドメイン
日本国内の組織種別を示す、信頼性の高いドメインです。
.co.jp:日本に登記した株式会社・有限会社向け。1組織につき1つまで.or.jp:社団法人・財団法人・協同組合など.ed.jp:学校法人・教育機関.ac.jp:大学・高等専門学校など
sinciate.co.jp はこの属性型JPドメインにあたり、「日本の法人が使っている正規のドメイン」であることを示します。信頼性の面でとても有利なため、法人サイトには積極的におすすめしています。
独自ドメイン・サブドメイン・共有ドメインの違い
「ドメイン」と一口にいっても、取得方法によっていくつか種類に分けられます。
独自ドメイン
自分(自社)で取得した専用のドメインです。sinciate.co.jp のように、第三者と共有せず唯一無二のものとして使えます。ビジネスサイトでは、独自ドメインを持つことが基本中の基本です。
共有ドメイン
無料ブログサービスやレンタルサーバーが提供するドメインを間借りして使うケースです。たとえば example.hatenablog.com の場合、hatenablog.com は他の多くのユーザーと共有しているドメインです。費用はかかりませんが、SEOへの影響や将来的な移行コストを考えると、ビジネス用途では独自ドメインが圧倒的に有利です。
サブドメイン
独自ドメインの前にラベルを付けたものです。たとえば blog.sinciate.co.jp や shop.sinciate.co.jp のように使います。同一ドメインの中で、用途別にサイトを分けたいときに使われます。
独自ドメインを取得するメリット
会社・サービスへの信頼性が上がる
company.com や company.co.jp のように、自社名やブランド名の入ったURLは、取引先や顧客に安心感を与えます。フリーメールや共有ドメインと比べて、一目でプロフェッショナルな印象を持ってもらえます。
ずっと同じURLで使い続けられる
独自ドメインは自分のものなので、サーバーやサービスを乗り換えても同じURLを維持できます。
一方、共有ドメインの場合はサービス側の都合でドメインが廃止・変更されるリスクがあります。長期的に使い続けるURLとして独自ドメインは安心感が段違いです。
SEO(検索エンジン最適化)に有利
独自ドメインは、長く使い続けるほど検索エンジンからの信頼が蓄積されやすいとされています。共有ドメインで他のユーザーの評判に引きずられるリスクもなく、自社の取り組みがそのままドメインの評価に積み上がっていきます。
ドメイン取得後に更新や良質なコンテンツ追加を続けることが、SEOにおいても重要です。
ブランドの認知度向上にも貢献する
URL・メールアドレス・名刺・パンフレット・SNSのプロフィールなど、あらゆる接点で同じドメインを使うことで、ブランドとしての一貫性が生まれます。
独自ドメインを取得するデメリット
メリットが多い独自ドメインですが、いくつか注意点もあります。
取得費用・更新費用がかかる
ドメインは年間で使用料を払い続ける必要があります。費用は種類によって異なりますが、.co.jp であれば年間3,000〜5,000円程度、.com なら年間1,000〜2,000円程度が相場です。無料ではありませんが、ビジネスサイトへの投資として見れば決して高くはありません。
更新管理が必要になる
ドメインには有効期限があり、期限が切れると他の人に取得されてしまうリスクがあります。自動更新の設定をしておくと安心です。制作会社に管理を任せる場合でも、自分で更新状況を把握できるとよりベターです。
登録者情報が公開される場合がある
ドメイン取得時に登録した情報(名前・住所・電話番号など)は、WHOIS(フーイズ)という公開データベースに掲載されます。プライバシーが気になる場合は、取得時に「Whois情報公開代行」サービスを使うと、個人情報を非公開にできます。
ドメイン名の決め方
取得する前に、どんなドメイン名にするかを決めます。以下のポイントを意識できるとベストです。
わかりやすく短い文字列にする
ドメインは一度決めると変えにくいため、シンプルで覚えやすいものを選びましょう。長すぎると打ち間違いが増え、印象にも残りにくくなります。
会社名・ブランド名・サービス名を使う
検索性や認知のしやすさから、会社名やサービス名をそのまま使うのがベストです。例えば「株式会社シンシエイト」であれば sinciate.co.jp のように、英語ローマ字で表記します。
読めば意味がわかるようにする
略語や造語は社内で通じても、初めて見る人にはわかりにくいことがあります。できるだけ「読んで意味が伝わる」文字列を選べるとよいでしょう。
ハイフン(-)は最小限にする
ハイフンを使うとURLが読みにくく、入力ミスも増えやすくなります。使う場合は1箇所程度にとどめるのが無難です。
独自ドメインの取得方法と手順
独自ドメインの取得はそれほど難しくはありません。大まかな流れを紹介します。
取得したいドメイン名を考える
まず「どんなドメインにするか」を決めます。会社名のローマ字、サービス名、ブランド名などを候補に挙げてみましょう。
すでに使われていないか確認する
ドメインは世界で1つしか存在できないため、すでに他の人が取得していれば使えません。お名前.comやムームードメインなどのドメイン登録サービスで空き状況を調べられます。
ドメイン登録サービスで申し込む
空いているドメインを見つけたら、登録サービスから申し込みをします。クレジットカードがあればオンラインで完了します。取得費用は年単位で支払い、更新を続ける限り使い続けられます。
サーバーと紐づける
ドメインだけを取得してもWebサイトは公開できません。別途「レンタルサーバー(ホスティングサービス)」を契約し、ドメインとサーバーをDNS設定で紐づけることで、初めてWebサイトが公開できる状態になります。
制作会社に依頼する場合は、ドメインの取得と設定を一括してお願いできる場合がほとんどです。ただし、ドメインの「所有者」は必ず自社にしておくことをおすすめします。制作会社の名義で取得してしまうと、取引終了後にドメインの移管でトラブルになるケースがあります。
ドメイン管理で気をつけたいこと
ドメインを取得したあとも、いくつか気をつけておくとよいことがあります。
有効期限の管理
先述のとおり、期限が切れると別の人に取得されてしまいます。「自動更新」を設定し、登録時のメールアドレスが有効であることを確認しておきましょう。
ドメインの管理アカウントは自社で保有する
ドメイン登録サービスへのログイン情報(ID・パスワード)は、自社で管理することを強くおすすめします。制作会社に任せっきりにしてしまうと、会社との関係が変わったときに困ることがあります。
SSL(HTTPS)対応をセットで進める
ドメインを取得したら、SSL証明書の設定もセットで進めるとよいでしょう。HTTPSに対応することで、ブラウザの「保護されていない通信」警告を防ぎ、Googleの検索評価にも良い影響があります。
まとめ
ドメインはWebサイトの「住所」であり、一度決めると変えにくい重要な要素です。ビジネスサイトには独自ドメインが不可欠で、信頼性・SEO・ブランドのすべてに影響します。
ポイントを整理すると、
- ドメインはインターネット上の住所。IPアドレスをわかりやすくしたもの
- WebサイトのURLとメールアドレスの両方に使われる
- 日本の法人なら
.co.jpが信頼性の面で有利 - 独自ドメインの取得はビジネスサイトの基本。管理アカウントは自社で持つ
- ドメイン名は会社名・ブランド名をシンプルに英語表記するのが定番
制作会社に相談する際は、「ドメインはどこで管理するのか」「取得・更新費用の見通しはどうなるか」を事前に確認できるとスムーズです。不明な点があれば、お気軽にご相談ください。