ウェブサイトを外注したとき、制作会社から「JavaScriptで実装します」と言われたことはありませんか?でも、JavaScriptがどんなものかをきちんと理解している発注担当者は、実はあまり多くありません。
この記事では、JavaScriptとは何か・何ができるのか・なぜ重要なのかを、専門知識ゼロの方にもわかるように解説します。制作会社とのやり取りをスムーズにするためにも、ぜひ一度読んでみてください。
JavaScriptとは何か
JavaScriptとは、ウェブページに「動き」や「機能」を加えるためのプログラミング言語です。
ウェブページは大きく3つの言語で作られています。
- HTML:ページの骨格・文章・画像などの「構造」を作る
- CSS:色・フォント・レイアウトなどの「見た目」を整える
- JavaScript:ボタンを押したときの反応・アニメーション・データの送受信など「動き・機能」を実現する
料理に例えるなら、HTMLが「食材」、CSSが「盛り付け」、JavaScriptが「調理の工程(加熱・混ぜる・味をつける)」のようなイメージです。HTMLとCSSだけでは、きれいに見えても反応しない静的なページにしかなりません。JavaScriptがあることで、ユーザーの操作に応じてページが動くようになります。
JavaScriptはいつ生まれたか
JavaScriptは1995年、ブラウザ開発企業Netscape Communicationsによって開発されました。当初は「LiveScript」という名前でしたが、当時人気だったJavaという別言語にあやかって「JavaScript」に改名されました(実際にはJavaとは全く異なる言語です)。
30年近く前に生まれた言語ですが、現在のウェブ開発では欠かせないものとして、世界中で最も多く使われているプログラミング言語のひとつです。
JavaScriptでできること
JavaScriptを使うと、ウェブページ上でさまざまな動きや機能を実現できます。発注者として知っておくと役立つ代表的な用途を紹介します。
メニューの開閉・ハンバーガーメニュー
スマートフォンで画面右上の「三本線」をタップするとメニューが展開される、あの動きはJavaScriptで実装されています。クリックやタップという操作に反応してHTMLの表示・非表示を切り替えるのが典型的な使い方です。
フォームの入力チェック(バリデーション)
お問い合わせフォームで「メールアドレスの形式が正しくありません」「必須項目が空白です」といったエラーメッセージが表示される機能もJavaScriptです。入力ミスをその場でユーザーに伝えられるため、フォームの完了率向上に直結します。
画像スライダー・カルーセル
トップページで複数の画像が自動的に切り替わったり、左右の矢印でスライドできたりする「スライダー」もJavaScriptの代表的な用途です。バナーエリアや実績紹介ページでよく見かけます。
ポップアップ・モーダル
「無料相談はこちら」ボタンを押すと画面中央に問い合わせフォームが浮き上がる、といった「モーダル」もJavaScriptで動かしています。ユーザーをページ遷移させずにアクションを促せるため、コンバージョン改善に活用されることが多い機能です。
アニメーション・スクロール演出
ページをスクロールしたときに、要素がふわっと浮き上がって表示される「スクロールアニメーション」もJavaScriptで実装します。サイトの印象をリッチにする演出として広く使われています。
Googleマップや外部ツールの埋め込み
アクセスページに表示されるGoogleマップも、JavaScript経由でデータを取得・表示しています。同様に、チャットボットや予約システムなど外部サービスをウェブサイトに埋め込む際もJavaScriptが使われます。
アクセス解析タグの実装
GoogleアナリティクスやGoogleタグマネージャーも、JavaScriptのコードをページに記述することで動作します。どのページが何回見られたか・どこから来たユーザーかといったデータを取得するための仕組みもJavaScriptが担っています。
JavaScriptとJavaの違い
「JavaScript」と「Java」は名前が似ているため混同されがちですが、まったく別の言語です。
| JavaScript | Java | |
|---|---|---|
| 開発元 | Netscape Communications | Sun Microsystems |
| 主な用途 | ウェブページの動き・機能 | 業務システム・Androidアプリ等 |
| 動く場所 | ブラウザ・サーバー | 専用実行環境(JVM) |
| 文法の難易度 | 比較的やさしい | より厳格・複雑 |
ちょうど「インドネシア語」と「インド語」が全く別の言語であるように、JavaScriptとJavaも名前以外に共通点はほぼありません。制作会社との会話で混同しないよう、頭の片隅に入れておくとよいでしょう。
JavaScriptの特徴
ブラウザだけで動かせる
JavaScriptはChromeやSafariといったウェブブラウザ上で直接実行できます。サーバーサイドの言語(PHPやPythonなど)とは異なり、ブラウザがあればそのまま動作するため、ページの表示速度を損なわずにリアルタイムな動きを実現できます。
ユーザーの操作に反応できる
「クリックしたとき」「マウスを乗せたとき」「スクロールしたとき」といったユーザーのアクションに応じてプログラムを動かせる「イベント駆動型」の仕組みがJavaScriptの大きな特徴です。ユーザーが操作するたびにページが反応するインタラクティブなサイトは、JavaScriptなしには実現できません。
ページを再読み込みせずに画面を更新できる
従来のウェブサイトは、何かデータを取得するためにページ全体を再読み込みする必要がありました。JavaScriptを使うと、ページを再読み込みせずに必要な部分だけデータを取得・更新できます(この技術を「非同期処理」または「Ajax」と呼びます)。検索フォームで文字を入力するたびに候補が自動表示される機能がその典型例です。
世界で最も広く使われている言語のひとつ
GitHubが発表した統計(2022年)では、JavaScriptは世界で最も多く使われているプログラミング言語第1位でした。それだけ実績・事例・学習リソースが豊富であることを意味しており、ウェブ制作の現場でも標準的な技術として定着しています。
クライアントサイドとサーバーサイドの違い
JavaScriptはもともとブラウザ(クライアントサイド)で動くための言語でしたが、現在はサーバーサイドでも使えるようになっています。
クライアントサイド(ブラウザで動く)
ユーザーのパソコンやスマートフォン上のブラウザで動くJavaScriptです。メニューの開閉・アニメーション・フォームチェックなど、ページ上の動きを担当します。サイト制作で「JavaScriptを使います」と言われる場合、ほとんどはこちらを指しています。
サーバーサイド(Node.jsで動く)
「Node.js(ノードジェイエス)」という環境を使うと、JavaScriptをサーバー側でも動かせます。これにより、データベースへのアクセスや会員管理など、バックエンドの処理もJavaScriptで書けるようになりました。フロントエンドとバックエンドを同じ言語で開発できるため、開発効率が上がるというメリットがあります。
発注者としては「JavaScriptはブラウザの動きを担当する言語だが、最近はサーバー側にも使われている」という理解で十分です。
フレームワーク・ライブラリとは
JavaScriptにはさまざまな「フレームワーク」や「ライブラリ」が存在します。これらは、よく使う機能をひとまとめにしたツールキットのようなもので、開発効率を大幅に高めます。
制作会社から提案書や見積もりの中でこうした名前が出てくることがあるため、代表的なものを押さえておきましょう。
React(リアクト)
Meta(旧Facebook)が開発したJavaScriptライブラリです。複雑なユーザーインターフェースを効率よく構築できるため、大規模なウェブアプリケーションでよく使われます。採用サイトや会員サービスなど、ページ内で多くのデータをやり取りするサービスに向いています。
Vue.js(ビュージェイエス)
日本国内での人気が高いJavaScriptフレームワークです。学習コストが低く、小〜中規模のウェブサイトへの導入がしやすいことから、中小企業向けのウェブ制作でも採用されるケースが増えています。
jQuery(ジェイクエリー)
かつて最も広く使われていたJavaScriptライブラリです。アニメーションやDOMの操作を簡単に書けるため、2010年代のウェブ制作では事実上の標準ツールでした。現在は新規開発での採用は減っていますが、既存サイトには今も多く残っています。制作会社が「jQueryを使っています」と言う場合、古めの開発手法を採用しているサインのこともあります。
発注者として知っておきたいポイント
JavaScriptが重くなるとサイトも遅くなる
JavaScriptはブラウザが読み込んで実行する処理なので、使いすぎたり最適化が不十分だったりすると、ページの表示速度が遅くなります。表示速度はSEOや直帰率にも影響するため、制作会社にパフォーマンスへの配慮を確認できるとよいでしょう。
セキュリティリスクがある
JavaScriptは便利な反面、不正なコードが実行されるリスク(クロスサイトスクリプティング:XSS)も伴います。外部のスクリプトを安易に埋め込むことは避けてもらい、信頼できる制作会社に適切な対策を取ってもらえるとベストです。
WordPressにもJavaScriptは使われている
WordPressのテーマやプラグインの多くにはJavaScriptが含まれています。カスタマイズや機能追加の際に「JavaScriptの修正が必要です」と言われることもあるため、JavaScriptがWordPressとも密接に関わっていることを覚えておくと、担当者とのやり取りがスムーズになります。
フロントエンド開発の中心言語
「フロントエンド開発」とはユーザーが直接触れる画面側の開発を指しますが、その中心にあるのがJavaScriptです。制作会社の「フロントエンドエンジニア」はJavaScriptを扱う技術者であることがほとんどです。
まとめ
JavaScriptについて改めて整理すると、以下のとおりです。
- ウェブページに「動き・機能」を加えるプログラミング言語
- HTML(構造)・CSS(見た目)と組み合わせてウェブサイトを作る
- メニューの開閉・フォームチェック・スライダー・アニメーションなど幅広く使われる
- JavaとJavaScriptは名前が似ているだけで全く別の言語
- React・Vue.js・jQueryなどのフレームワーク・ライブラリもよく使われる
- 使いすぎると表示速度が遅くなるため、最適化への配慮が必要
ウェブサイトを外注する発注者として、JavaScriptの役割を理解しておくことで、制作会社の提案を正しく評価できるようになります。「この機能を実現するにはJavaScriptが必要なんだな」「JavaScriptの最適化はできているか確認しよう」といった視点が持てると、サイト品質の向上にもつながっていきます。
わからないことがあれば、当社にお気軽にご相談ください。発注者の視点に立ったわかりやすい説明を心がけています。
関連用語
- HTML(エイチティーエムエル) — ウェブページの骨格を作る言語。JavaScriptと組み合わせて使う基本の言語です
- CSS(シーエスエス) — ウェブページの見た目を定義する言語。HTML・JavaScriptと合わせてウェブ制作の三種の神器と呼ばれます
- フロントエンド — ユーザーが直接目にする画面部分の開発。JavaScriptはフロントエンド開発の中心的な言語です
- クライアントサイドスクリプト — ユーザーのブラウザ上で実行されるプログラム。JavaScriptが代表例です
- WordPress — 世界シェアNo.1のCMS。テーマやプラグインにJavaScriptが多く使われています