類似オーディエンスとは?広告ターゲティングで新規獲得を増やす仕組み

「もっと多くの新規顧客を獲得したいけど、広告費をむやみに増やすのは怖い」。そんなふうに感じたことはありませんか?

Web広告の世界には、既存のお客様に”似た人”を自動で見つけて広告を届ける便利な機能があります。それが「類似オーディエンス(Lookalike Audience)」です。

やみくもに多くの人に広告を見せるのではなく、”自社の商品やサービスに興味を持ちやすい層”にピンポイントでアプローチできるため、広告費の無駄を抑えながら新規獲得の効率を高めることができます。

この記事では、類似オーディエンスの仕組みや使い方、活用するときのポイントを、初めて聞く方にもわかりやすくお伝えします。


類似オーディエンスとは?基本の仕組みを理解しよう

類似オーディエンス(英語: Lookalike Audience)とは、すでに自社の顧客や見込み客として登録されているユーザーと”似た属性・行動パターン”を持つ新規ユーザーを自動で探し出し、そのグループに広告を配信する機能のことです。

たとえば、あなたがECサイトを運営していて、「過去6ヶ月に購入してくれたお客様リスト」をお持ちだとします。そのリストをGoogle広告やMeta(Facebook)広告のシステムに読み込ませると、AIが購入者の共通の特徴(年齢・性別・居住地・興味関心・行動履歴など)を分析し、「この人たちと似た新しいユーザー」を自動で探してくれます。これが類似オーディエンスの基本的な流れです。

「ソースオーディエンス」が核心

類似オーディエンスを作るためには、まずソースオーディエンス(元になるデータ)が必要です。

  • 既存顧客のメールアドレスリスト
  • サイト訪問者データ(ピクセル・タグで取得)
  • アプリの利用者データ
  • 動画を一定時間視聴したユーザー

など、さまざまなデータを元に設定できます。ソースオーディエンスの質と量が高ければ高いほど、類似オーディエンスの精度も上がります。一般的には最低でも100〜1,000人程度のデータが必要とされています。


どのプラットフォームで使えるの?代表的な広告媒体を紹介

類似オーディエンスは、主要な広告プラットフォームで広く採用されている機能です。それぞれ名称や細かい仕様は異なりますが、基本的な考え方は共通しています。

Meta(Facebook・Instagram)広告

類似オーディエンスという概念を広めたのは、Metaといっても過言ではありません。「類似オーディエンス」という名称そのままで機能が提供されており、類似度を1〜10%で設定できます。数字が小さいほど元のデータに近い(精度が高い)ユーザー、大きいほどリーチが広がります。

Google広告

Googleでは「類似セグメント」という名称で提供されています(2023年以降、設定方法が変更されたため、最新の仕様はGoogle広告のヘルプを参照ください)。YouTubeやGmail、Googleディスプレイネットワーク上でのターゲティングに活用できます。

TikTok広告

TikTokでも「類似オーディエンス」として機能が提供されており、若年層へのリーチが強みです。ソースオーディエンスには1,000人以上のデータが推奨されています。

X(旧Twitter)広告

「フォロワーに類似したオーディエンス」などの形で活用できます。


類似オーディエンスを使う3つのメリット

では、類似オーディエンスを活用することで、どんなメリットが得られるのでしょうか。

メリット1:新規獲得の効率が上がる

最大のメリットは、コンバージョン(購入・問い合わせ・資料請求など)につながりやすいユーザーに絞ってアプローチできることです。

通常のターゲティング広告では、年齢・性別・地域などを手動で設定しますが、どれほど精密に設定しても、実際に興味を持ってくれる人かどうかは不確かです。一方、類似オーディエンスは「すでに購入・問い合わせしてくれた人と似た人」を機械学習で探し出すため、関心を持ちやすい層に効率よくリーチできます。

メリット2:広告費の無駄を削減できる

ターゲットを絞り込むことで、興味のない層に広告費を使う無駄が減ります。広告予算が限られている中小企業にとっては特に大きなメリットです。

「広告を出しているけれど成果が出ない」という場合、ターゲティングがずれていることが原因の一つとして考えられます。類似オーディエンスを使うことで、ターゲットの精度を高めることができます。

メリット3:手動設定の手間が省ける

年齢・性別・興味関心などを細かく手動で設定するのは、広告運用の知識がないと難しく感じるものです。類似オーディエンスはAIが自動でターゲットを分析・設定してくれるため、運用の手間を減らしつつ高い精度を実現できます。


具体的な活用例:こんなシーンで使われています

実際にどんな場面で類似オーディエンスが活用されているのか、具体的な例をご紹介します。

ECサイトの購入者から類似ユーザーを探す

オンラインショップで過去に商品を購入してくれたお客様のメールアドレスを広告プラットフォームにアップロードし、同じような購買傾向を持つ新規ユーザーにアプローチします。「すでに買ってくれた人と似た人」なので、購入率が高まりやすいです。

問い合わせフォームの入力者から類似ユーザーを探す

Webサイトのお問い合わせフォームを入力・送信したユーザーをソースとして類似オーディエンスを作成。まだサービスを知らない新規層に向けて、サービス紹介の広告を配信します。

メルマガ読者から類似ユーザーを探す

メルマガの開封率・クリック率が高い読者リストをソースにして、同じように情報感度が高いユーザーへのアプローチが可能です。コンテンツマーケティングや情報商材系のサービスとの相性が良い方法です。

動画視聴者から類似ユーザーを探す

YouTubeやTikTokで自社の動画を50%以上視聴したユーザーをソースにして類似オーディエンスを構築。ブランドへの関心が高いユーザーに似た新規層に広告を届けます。


類似オーディエンスを使うときに知っておきたいポイント

類似オーディエンスは非常に便利な機能ですが、使い方を誤るといまいち効果が出ないこともあります。以下のポイントを押さえておくと、より効果的に活用できます。

ソースオーディエンスの質を高める

先ほどもお伝えしたとおり、類似オーディエンスの精度はソースデータの質に大きく左右されます。「一度でも訪問したことがある人」よりも「実際に購入・問い合わせした人」のほうが高精度な類似オーディエンスを作れます。できるだけコンバージョンに近い行動をしたユーザーのデータをソースとして使いましょう。

データ数は多いほど精度が上がる

ソースオーディエンスのデータ数が少ないと、AIが共通の特徴を見つけにくくなります。一般的には1,000人以上のデータがあると安定した精度で類似オーディエンスを作れるといわれています。まずはリターゲティング広告などでソースとなるユーザーを積み上げることも大切です。

類似度の設定は目的に応じて調整する

Meta広告では類似度を1〜10%で設定できます。

  • 類似度1〜3%:精度が高いが、リーチできる人数は少なめ
  • 類似度5〜10%:リーチは広がるが、精度はやや落ちる

まずは類似度を低く設定して精度重視でスタートし、結果を見ながら調整するのがおすすめです。

リターゲティングとの併用で効果を最大化

類似オーディエンスはリターゲティング広告(一度サイトを訪れたユーザーへの再アプローチ)と組み合わせることで、さらに効果的です。「過去訪問者へのリターゲティング」で取りこぼしを防ぎつつ、「類似オーディエンス」で新規ユーザーを獲得するという二段構えの戦略が有効です。

プライバシー規制への対応も忘れずに

顧客データを広告プラットフォームにアップロードする際は、個人情報保護法やプラットフォームの利用規約をしっかり確認しましょう。ユーザーの同意なくデータを活用することは問題になる場合があります。プライバシーポリシーの整備も合わせて行うことをおすすめします。


まとめ:類似オーディエンスで新規獲得の効率を高めよう

類似オーディエンスは、既存顧客の特徴をAIが分析し、同じような新規ユーザーに広告を届けることで、効率よく新規獲得を増やせるターゲティング機能です。

  • 既存顧客データ(購入者・問い合わせ者など)をソースとして設定する
  • AIが自動で類似ユーザーを探し出してくれる
  • リーチの質が高まり、広告費の無駄が減る
  • リターゲティングと組み合わせるとさらに効果的

「広告を出しているのに成果がなかなか出ない」「もっと効率よく新規顧客を獲得したい」とお感じの方は、ぜひ類似オーディエンスの活用を検討してみてください。


関連用語

Web広告のターゲティングをより深く理解するために、以下の用語もあわせてご参照ください。

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