アフィリエイトとは、他者のサイトやSNSで自社商品・サービスを紹介してもらい、実際に購入や申し込みが発生したときだけ報酬を支払う、成果報酬型の広告の仕組みです。
「紹介してもらったのに成果がゼロ」という場合は費用がかからないため、費用対効果を重視する企業にとって活用しやすい広告手法として知られています。
この記事では、アフィリエイトの基本的な仕組みから、関係する登場人物、メリット・デメリット、他の広告との違いまでをまとめてご説明します。Web制作やマーケティングを外注しながら、広告の知識を少しずつ深めたい方にとって参考になれば嬉しいです。
アフィリエイトの仕組みをひとことで言うと
アフィリエイトを一言でまとめると、「売れたときだけお金を払う広告」です。
テレビCMや雑誌広告のように「広告を出すこと自体にお金がかかる」のではなく、広告経由で実際に商品が売れたり、サービスへの申し込みがあったりして初めて費用が発生します。
このモデルは「成果報酬型広告」とも呼ばれており、広告主(商品・サービスを持つ企業)にとっては「払ったお金に必ず成果がついてくる」安心感があります。
アフィリエイトに登場する4つのプレイヤー
アフィリエイトには、4つの役割をもつ人・企業が関わります。それぞれの立場を理解しておくと、仕組み全体がぐっとわかりやすくなります。
広告主(企業・お店)
商品やサービスを販売している企業・お店です。アフィリエイトでは「紹介してもらう側」になります。成果が出たときだけ報酬を支払うため、広告費のコントロールがしやすいのが特徴です。
アフィリエイター(紹介する人)
ブログ・SNS・YouTube・比較サイトなどを運営している個人や企業のことです。「紹介する側」であり、自分のメディアで広告主の商品・サービスを取り上げます。読者がそのリンク経由で購入・申し込みをすると、報酬(成果報酬)が支払われます。
ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)
広告主とアフィリエイターの間を取り持つ仲介業者です。「A8.net」「バリューコマース」「アクセストレード」などが代表的なASPとして知られています。
広告主はASPに広告案件を登録し、アフィリエイターはASPから好みの案件を選んで紹介する、という流れになっています。ASPが成果のトラッキング(追跡)や報酬の支払い管理を担当してくれるため、広告主はASPを通じてスムーズに運用をスタートできます。
ユーザー(一般の消費者)
アフィリエイターのサイトやSNSを訪れ、紹介された商品・サービスに興味を持ってリンクをクリックする人です。購入や申し込みをすることで、成果が発生します。
アフィリエイトで報酬が発生するまでの流れ
アフィリエイトの報酬は、次のような流れで発生します。
ステップ1 広告主がASPに案件を登録する
広告主はASPに登録し、「このサービスの申し込みが1件発生したら3,000円の報酬を支払う」といった条件を設定します。
ステップ2 アフィリエイターが紹介記事を書く
ASPに登録したアフィリエイターが、広告主の商品・サービスを自分のメディアで紹介します。記事にはASPが発行した専用のトラッキングURLが含まれています。
ステップ3 ユーザーがリンクをクリックして購入・申し込みをする
紹介記事を読んだユーザーが興味を持ち、リンクをクリックして広告主のサイトへ移動します。そのまま購入や申し込みを完了すると、「成果発生」と判定されます。
ステップ4 成果が確認・承認される
ASPのシステムが成果を検知し、広告主が内容を確認・承認します。キャンセルや返品があった場合は成果から除外されることもあります。
ステップ5 アフィリエイターに報酬が振り込まれる
成果が承認されると、ASPからアフィリエイターに報酬が支払われます。広告主はASPへ広告費を支払い、ASPがアフィリエイターに分配する仕組みです。
アフィリエイトの報酬タイプ
アフィリエイトの報酬は「何をもって成果とするか」によって、いくつかのタイプに分かれます。
成果報酬型(CPA型)
最も一般的なタイプです。購入・申し込み・会員登録・資料請求など、あらかじめ設定した「成果」が発生したときに報酬が支払われます。「購入1件につき5%の手数料」「申し込み1件につき2,000円」といった形で設定されます。
広告主にとっては費用対効果が明確なため、特にサービス申し込みや資料請求を目標とするキャンペーンに向いています。
クリック報酬型(CPC型)
ユーザーが広告リンクをクリックするたびに、少額の報酬が発生するタイプです。購入や申し込みに至らなくても報酬が生まれるため、アフィリエイターには有利ですが、広告主から見るとROI(費用対効果)が読みづらい面があります。
インプレッション型(CPM型)
広告が一定回数表示されるたびに報酬が発生するタイプです。バナー広告などで使われることがあります。アフィリエイトの文脈では比較的まれな形式です。
アフィリエイトを使う企業側のメリット
成果が出たときだけ費用が発生する
アフィリエイト最大のメリットがこれです。広告を掲載してもらうだけでは費用は発生せず、購入・申し込みといった具体的な成果が生じた時点で初めて支払いが発生します。広告予算が限られている中小企業にとって、リスクを抑えながら試せる手法です。
多くのメディアで紹介してもらえる可能性がある
ASPに登録すると、登録しているアフィリエイターが自分のメディアで紹介してくれます。自社では到達しにくいニッチなターゲット層や、特定のジャンルに強いメディアでの露出が期待できます。
予算管理がしやすい
「1件あたりいくらまでなら払える」という上限(目標CPA)を設定しておけば、それを超えた費用が発生しにくい構造です。リスティング広告のように「クリックされるたびに費用がかかる」モデルと比べて、費用の見通しが立てやすいといえます。
比較・レビュー記事として掲載されやすい
アフィリエイターは読者に「読んでよかった」と思ってもらえる記事を書くため、「競合との比較」「実際の使用感レビュー」といったコンテンツが生まれやすい傾向があります。企業の公式サイトでは書きにくい、第三者目線の情報発信につながります。
アフィリエイトのデメリット・注意点
掲載コントロールが難しい
どのアフィリエイターがどのように紹介するかを、広告主が完全にコントロールするのは難しいです。意図しない訴求方法で紹介されてしまうケースもあるため、ガイドラインの整備が必要です。
掲載保証がない
アフィリエイターは自分の判断でどの案件を紹介するかを選びます。ASPに登録したからといって、必ず多くのメディアで取り上げてもらえるわけではありません。特に知名度の低い商品・サービスは、アフィリエイターに選ばれにくいことがあります。
不正な成果が発生するリスクがある
実際には存在しない取引が「成果」として報告される不正(アフィリエイト詐欺)のリスクがゼロではありません。信頼性の高いASPを選ぶことや、成果のモニタリングを継続することが大切です。
ASPへの固定費が発生することもある
ASPによっては、初期登録費用や月額利用料が発生する場合があります。「完全成果報酬だから費用はゼロ」ではなく、ASPの料金体系は事前に確認しておくことをお勧めします。
アフィリエイトと他の広告手法との違い
アフィリエイトの特徴は、他の広告と比較するとより鮮明になります。
リスティング広告(検索連動型広告)との違い
リスティング広告はクリックされるたびに費用が発生します(CPC課金)。アフィリエイトは購入・申し込みが発生したときだけ費用がかかります(CPA課金)。リスティング広告はすぐに集客できる即効性がある一方、クリックだけで費用が積み上がるリスクもあります。アフィリエイトはじっくり成果を積み上げていくモデルです。
SNS広告・ディスプレイ広告との違い
SNS広告やディスプレイ広告は、広告が表示・クリックされるたびに費用が発生するのが一般的です。認知拡大や新規接触には向いていますが、コンバージョン(成果)に直結しない広告費も発生します。アフィリエイトは基本的に「コンバージョンが起きて初めて費用が発生する」ため、ボトムファネル(購入直前)への訴求に向いています。
インフルエンサーマーケティングとの違い
インフルエンサーマーケティングでは、フォロワー数や知名度に応じた固定の報酬を払うことが一般的です。アフィリエイトは成果ベースで報酬が決まるため、フォロワー数が少なくても実際に成果を出す「コンバージョン型アフィリエイター」が重宝されます。最近はインフルエンサーとアフィリエイターを兼ねるケースも増えています。
広告主がアフィリエイトを始めるときに意識したいこと
アフィリエイトをうまく活用するために、以下の点を意識できるとベストです。
目標CPAを明確にする
「1件の申し込みに対していくらまで払えるか」を最初に決めておくことが重要です。このCPA目標が決まらないと、成果単価の妥当性が判断できません。商品の粗利や顧客単価から逆算して設定するのが基本です。
ASP選びを慎重にする
大手ASP(A8.net・バリューコマース・アクセストレードなど)は登録アフィリエイター数が多く、案件が紹介されやすい環境が整っています。一方で、特定ジャンルに特化したASPを選ぶと、ターゲットに合ったメディアで効率よく紹介してもらえる場合もあります。
アフィリエイターが紹介しやすい素材を用意する
アフィリエイターは「読者に役立つ記事を書く」ことを重視しています。広告主が商品の特徴・ターゲット・実績などの素材を整えておくと、アフィリエイターが記事を書きやすくなり、取り上げてもらいやすくなります。
掲載ガイドラインを設定する
「競合との比較表に記載しないでほしい」「価格の誤った情報を掲載しないでほしい」といった禁止事項を明確にしておくと、意図しない紹介を防ぎやすくなります。
アフィリエイトが向いているビジネス・向いていないビジネス
アフィリエイトとの相性はビジネスの種類によって異なります。
向いているのは、単価が比較的高い商品・サービス(保険・金融・通信・化粧品など)や、オンラインで完結する申し込みフローがあるサービスです。報酬単価が数千〜数万円になるため、アフィリエイターが積極的に紹介してくれやすくなります。
一方、単価が低い商品や、購入フローが複雑なBtoBサービスはアフィリエイトとの相性があまり良くない場合があります。アフィリエイターが紹介しても報酬が少なければ、記事を作る動機が生まれにくいためです。
中小企業のWebサイトや問い合わせ獲得を目的とするケースでは、アフィリエイトよりもSEOやリスティング広告の方が費用対効果が高いことが多いのが実情です。ただし、採用サービスや資料請求型のサービスであれば、アフィリエイト活用の余地はあります。
アフィリエイトに関するよくある疑問
アフィリエイトはどのくらいで成果が出る?
広告主としてASPに登録した直後から成果が出始めるわけではありません。アフィリエイターが記事を作成し、その記事が検索上位に表示され始めるまでには一定の時間がかかります。速ければ数週間で成果が出ることもありますが、月単位・年単位で育てていく意識が必要です。
自社でアフィリエイト管理をするのは大変?
ASPを活用すれば、トラッキング・成果管理・報酬支払いなどの煩雑な管理をASPに任せることができます。広告主として必要なのは、成果の確認・承認と、アフィリエイターとのコミュニケーションが中心です。担当者1人でも運用できる規模からスタートすることが多いです。
ステマ(ステルスマーケティング)にならないの?
2023年10月から、景品表示法によりステルスマーケティング(ステマ)が規制されています。アフィリエイター(紹介者)は、広告主から報酬をもらって紹介している場合は「PR」「広告」などの表記が義務付けられています。広告主側もこの規制への対応をガイドラインに含めることが必要です。
まとめ
アフィリエイトは、「成果が出たときだけ費用が発生する」成果報酬型の広告手法です。広告主・ASP・アフィリエイター・ユーザーの4者が連携することで成り立っており、費用対効果の高さが最大の魅力です。
一方で、掲載コントロールの難しさや、アフィリエイターに選ばれないリスクもあります。他の広告手法(リスティング広告・SNS広告など)と組み合わせながら、自社のビジネスモデルに合った活用を検討できるとベストです。
アフィリエイトの活用を検討しているものの「どの手法が自社に向いているかわからない」という場合は、当社にご相談いただければ、一緒に整理していきます。
関連用語
- アトリビューション — 複数の広告チャネルが関わった成果をどう評価・割り振るかの考え方
- ABテスト — 2パターンを比較して成果を改善する手法。アフィリエイトのLPにも活用される
- アクセス解析 — サイトへの流入状況を数字で把握する。アフィリエイトの成果測定にも欠かせない
- CPA(顧客獲得単価) — 1件の成果(購入・申し込み)を獲得するためにかかった費用の指標
- リスティング広告 — 検索結果に表示されるクリック課金型広告。アフィリエイトと並ぶ代表的な成果重視の手法