「広告を出しているのに、なぜか関係ない人ばかりクリックしてくる」「広告費は使っているのに問い合わせにつながらない」——そんな悩みを抱えていたら、除外キーワードの設定を見直すことで改善できるかもしれません。
除外キーワードは、リスティング広告(検索連動型広告)を運用するうえで欠かせない機能のひとつです。うまく活用するだけで、無駄なクリックを減らし、限られた広告予算を本当に届けたい相手に集中させることができます。
この記事では、除外キーワードの基本的な仕組みから設定方法、実際の活用例まで、広告の専門知識がなくても理解できるようにやさしく解説します。
除外キーワードとは?基本の仕組み
除外キーワードとは、「このキーワードで検索されたときは、広告を表示しない」と指定する設定のことです。
リスティング広告は、広告主があらかじめ設定したキーワードに連動して表示される仕組みです。たとえば「外壁塗装 業者」というキーワードで広告を出稿すれば、「外壁塗装 業者」と検索したユーザーに広告が表示されます。
ただし、意図したキーワード以外の検索にも広告が表示されてしまうことがあります。「外壁塗装 業者」で出稿していても、「外壁塗装 業者 やめとけ」「外壁塗装 業者 詐欺」といった検索にも表示されてしまう可能性があるのです。
こういった「自社に関係ない・問い合わせにつながりにくい」検索に広告を表示しないようにするのが、除外キーワードの役割です。
なぜ除外キーワードが必要なのか
リスティング広告は、クリックされるたびに費用が発生するクリック課金制(CPC)です。問い合わせにつながらないクリックが続くと、広告費だけが消費されてしまいます。
たとえば月5万円の広告予算を使っている場合、クリック単価が200円だとすると250回クリックされる計算です。そのうち50回が「全く関係ない人からのクリック」だとすれば、1万円が無駄になっていることになります。
除外キーワードを適切に設定することで、この「無駄なクリック」を減らし、同じ予算でより多くの見込み客にアプローチできるようになります。
除外キーワードの3つのマッチタイプ
除外キーワードには、どの検索に対して広告を非表示にするかを細かく調整できる「マッチタイプ」があります。主に次の3種類があります。
完全一致(Exact Match)
指定したキーワードと完全に同じ検索語句のときだけ、広告を非表示にします。
例:除外キーワードを「無料」と完全一致で設定
– 「無料」→ 広告を表示しない
– 「無料 見積もり」→ 広告は表示される(完全一致ではないため)
適用範囲が最も狭く、設定したキーワードそのままの検索にしか効かないため、細かい調整に向いています。
フレーズ一致(Phrase Match)
指定したキーワードのフレーズが含まれる検索語句のときに、広告を非表示にします。
例:除外キーワードを「無料」とフレーズ一致で設定
– 「無料 見積もり」→ 広告を表示しない
– 「見積もり 無料」→ 広告を表示しない(含まれているため)
– 「格安 見積もり」→ 広告は表示される(「無料」が含まれていないため)
フレーズ一致は、特定の言葉を含む検索を幅広くブロックしたいときに便利です。
部分一致(Broad Match)
指定したキーワードに関連する検索語句にも、広告を非表示にします。3つのマッチタイプの中で最も除外の範囲が広くなります。
意図せず広い範囲をブロックしてしまうリスクもあるため、設定には注意が必要です。実際の運用では、フレーズ一致や完全一致をメインに使うケースが多いです。
除外キーワードの設定レベル
Google広告では、除外キーワードの設定を適用する範囲を選べます。
アカウントレベル
アカウント全体に除外キーワードを適用します。広告主として「自社に絶対関係ない」と確信できるキーワードはここに設定します。
キャンペーンレベル
特定のキャンペーン(広告グループのまとまり)に対して設定します。「このキャンペーンだけ除外したい」という場合に使います。
広告グループレベル
最も細かい単位での設定です。特定の広告グループ内だけで除外したいキーワードを設定できます。
キャンペーンや広告グループを複数持っている場合、レベルを使い分けることで細やかなコントロールが可能になります。
除外キーワードのリスト活用(共有除外リスト)
Google広告には「共有除外リスト」という機能があります。複数のキャンペーンで同じ除外キーワードを使いたいとき、一度リストを作成しておけば各キャンペーンに一括で適用できます。
たとえば「競合他社の社名」「自社に関係ない業種」「情報収集段階のワード」などをリストにまとめて管理しておくと、新しいキャンペーンを作るたびにゼロから設定し直す手間が省けます。
よく使われる除外キーワードの例
業種によって異なりますが、多くのケースで設定されることが多い除外キーワードを紹介します。
「無料」系
商品・サービスを無料で求めているユーザーが検索するキーワードです。有料サービスを提供している場合は、問い合わせにつながりにくいため除外しておくことが多いです。
例:無料、フリー、タダ、無償
ただし「無料相談」「無料見積もり」など、自社がアピールしたいサービスに含まれる言葉は除外しないよう注意が必要です。
「自分でやる(DIY)」系
自分で解決しようとしているユーザーが検索するキーワードです。業者に依頼したいユーザーではないため、多くの場合は除外対象になります。
例:自分で、DIY、やり方、方法、手順、マニュアル
「求人・採用」系
「〇〇 募集」「〇〇 アルバイト」など、求人を探しているユーザーが検索するキーワードです。顧客獲得を目的にした広告では除外しておく必要があります。
例:求人、募集、バイト、アルバイト、パート、転職、就職、採用、給料
「競合・他社」系
特定の競合他社名を含む検索です。自社との比較検討をしているユーザーにアプローチしたい場合は除外しないこともありますが、広告表示に費用がかかるうえ成果につながりにくいケースも多いため、戦略に応じて判断します。
「クレーム・評判」系
「〇〇 やめとけ」「〇〇 口コミ 悪い」など、ネガティブな情報を検索しているユーザーには広告を表示しても効果が薄いことが多く、除外の対象になります。
例:やめとけ、評判 悪い、クレーム、詐欺、悪質、トラブル
「類似語・関係ない業種」系
検索キーワードが広すぎると、全く関係ない業種の検索にも広告が出てしまうことがあります。たとえば「設計」で広告を出稿している建設会社が、「設計 授業」「設計 大学」などで表示されてしまうケースです。このような場合は関係ない語句を除外します。
除外キーワードの設定方法(Google広告の基本手順)
実際にGoogle広告で除外キーワードを設定する手順を、シンプルに紹介します。
1. Google広告の管理画面にログイン
Google広告(ads.google.com)にアクセスしてキャンペーン管理画面を開きます。
2. 設定したいキャンペーンまたは広告グループを選択
除外を適用したいキャンペーン・広告グループを選択します。
3. 左メニューから「キーワード」→「除外キーワード」を開く
画面左側のナビゲーションから「キーワード」項目を展開し、「除外キーワード」を選びます。
4. 「+」ボタンから除外キーワードを追加
「除外キーワードを追加」画面が表示されるので、追加したいキーワードを入力します。
5. マッチタイプを指定して保存
フレーズ一致は "キーワード" のようにダブルクォートで、完全一致は [キーワード] のように角括弧で囲む記法を使います。
設定後しばらくすると広告配信に反映されます。設定直後はデータの変化を数日間観察してみると良いでしょう。
除外キーワードを見直すための検索語句レポートの活用
除外キーワードは、最初に設定して終わりではありません。定期的に「検索語句レポート」を確認することで、設定を改善していくことが大切です。
検索語句レポートとは、広告が実際にどんな検索語句に対して表示されたかを確認できる機能です。Google広告の管理画面では「キーワード」→「検索語句」から確認できます。
レポートを見ると、「こんな検索にも表示されていたのか」という驚きに気づくことがあります。意図していないキーワードへの表示が多ければ、それを除外キーワードとして追加していくことで、徐々に配信精度が高まっていきます。
検索語句レポートのチェックは、週1回〜月1回程度を目安に習慣化すると効果的です。
除外キーワードで広告の費用対効果を高める
除外キーワードをしっかり設定することで、次のような効果が期待できます。
無駄なクリックが減り、広告費を有効活用できる
関係のないユーザーへの広告表示を防ぐことで、実際に問い合わせや購入につながりやすいユーザーへの配信割合が高まります。同じ広告予算でも、より多くの成果を得やすくなります。
クリック率(CTR)が改善される
関係のないユーザーに広告を表示しても、当然ながらクリックされにくくなります。除外キーワードによって「クリックされやすいユーザーだけ」に表示範囲を絞ることで、クリック率が向上しやすくなります。
品質スコアの向上につながる
Google広告では、広告のクリック率・関連性・ランディングページの質などを総合した「品質スコア」という指標があります。品質スコアが上がると、同じ入札額でもより上位に広告が表示されやすくなります。除外キーワードによってクリック率を改善することは、品質スコアの向上にも間接的に貢献します。
コンバージョン率(CVR)が向上する
本当に興味のあるユーザーだけが広告をクリックするようになるため、クリック後の問い合わせ率・購入率も改善されやすくなります。費用をかけたぶんがきちんと成果につながる、健全な広告配信に近づきます。
除外キーワードを設定するときの注意点
便利な除外キーワードですが、設定ミスには気をつけが必要です。
過剰な除外に注意する
「念のために」と除外を増やしすぎると、本来届けたいユーザーへの広告表示まで防いでしまう可能性があります。除外設定後は必ずデータを確認して、インプレッション数(広告表示回数)が極端に落ちていないかチェックしましょう。
自社が訴求したいキーワードを除外しない
「無料」「格安」「安い」といった言葉を除外する際は注意が必要です。「無料相談」「格安プラン」など、自社が積極的にアピールしたいワードが含まれている場合は、部分的な除外にならないよう設定を確認しましょう。
定期的な見直しを忘れない
ビジネスの内容やターゲット層が変われば、除外すべきキーワードも変わります。一度設定して放置するのではなく、半年〜1年に一度は設定内容を見直す習慣をつけると安心です。
代理店に任せる場合も設定状況を確認する
広告代理店に運用を依頼している場合でも、除外キーワードが適切に設定されているかどうかは確認しておきたいポイントです。月次レポートを受け取る際に「検索語句レポートも共有してほしい」と伝えておくと、自社でも状況を把握できるようになります。
まとめ:除外キーワードはリスティング広告の「防衛線」
除外キーワードとは、リスティング広告で「このキーワードでは広告を表示しない」と指定することで、無駄なクリックを防ぎ、広告費を有効に使うための設定です。
最初はゼロから設定してもかまいません。広告を配信しながら検索語句レポートを確認し、「この検索には表示しなくていい」と思ったキーワードを少しずつ追加していくことで、配信精度が上がっていきます。
リスティング広告の効果に「なんとなく物足りなさ」を感じていたら、除外キーワードの見直しから始めてみると良いかもしれません。小さな設定の積み重ねが、広告費の節約と成果の向上につながります。
関連用語
- リスティング広告 — 検索エンジンでキーワードに連動して表示されるテキスト型の広告
- キーワード — 検索エンジンで入力される語句。リスティング広告の出稿対象となる
- CPC(クリック単価) — 1クリックあたりにかかる広告費用
- CTR(クリック率) — 広告が表示された回数のうち、クリックされた割合
- CVR(コンバージョン率) — 広告クリック後に問い合わせや購入などの成果につながった割合
- ロングテールキーワード — 検索ボリュームは少ないが購買意欲が高いユーザーに届きやすいキーワード
- ROAS(広告費用対効果) — 広告費に対して得られた売上の割合を示す指標