完璧主義者は生産性が低い!8割で妥協のススメ。

僕が携わるいくつかのプロジェクトのメンバーの中にも完璧主義者がいます。そんな彼らには「妥協」することをオススメしたい。

まず初めに、「完璧」とは素晴らしいものだということ、また「妥協」とは手抜きではないという事ははっきりと明示しておきたいのと、僕自身も元はといえば完璧主義に近い方だったとも思います。しかしここ最近はかなり大雑把になりました。

完璧は素晴らしいのになぜ無駄なのか

完璧にして出来上がったものは非常に気持ちがよく素晴らしい。趣味であれば100%の力を一切出し惜しみせず100%の完璧を目指す、というのも良いでしょうが、資本主義社会におけるビジネスの基本は成果主義です。趣味とは話が違います。

ビジネス書にはよく登場する、パレートの法則。ざっくりいうと8:2の法則で、8割の売上は2割の顧客で成り立っているとか、仕事の80%は2割の力(時間)で行えるが、残りの20%には8割の力が必要になるっていうような話です。よくわからない人は自分で調べてください。

「仕事の80%は2割の〜」の話で言えば、自分が同じ100%の力(時間)を使う場合に、1つの仕事に100%の力で【1】の成果を成し遂げるよりも、5つの仕事に20%ずつの力でそれぞれ8割の成果を出せば【4】の成果(5つの仕事×8割)が生み出せる訳です。

仮に5科目のテストがあったとして、一つの教科を100点取る勉強する労力と、5科目を80点ずつとる労力は同じってことです。

100点取る事が目的ならそれも良いけど、試験をパスするのがゴールなら80点ずつ取る方が圧倒的に効率的。

そもそも100%の力を発揮しないのが「手抜き」ってやつです。

「神は細部に宿る」の勘違い

これらの話をすると完璧主義者達は呪文のように「神は細部に宿る」と熱弁するケースがあります。

そもそも「神は細部に宿る」という言葉は、20世紀のモダン建築のデザインを代表するミース・ファン・デル・ローエというドイツの建築家の言葉です。それまで煉瓦や石で作られていた建築様式から、鉄骨や鉄筋コンクリートを使用して柱や壁の少ない建築様式に変わりました。

つまり、建築様式が変わった事によって、こだわるポイントを変えましたよ。というのがこの言葉の真意であり、あっちもこっちも全部にこだわるってこととは話が違います。

さらにはポストモダンの建築家からは、これらの建築様式を批判する声もあるので、決してマジックワードではありません。

「妥協」して良いポイントはどこか?

完璧主義者の皆さんは恐らく妥協して良いポイントがわからないのではないでしょうか?

時は戦国時代だったら

国と国が争いを続ける中で明日遂に戦が始まります。あなたは今度の戦で功績を残し褒美として名前が欲しい。その時に何を考えるでしょうか。

一兵卒を100人倒す事を考えるだろうか、もしくは猛将と名を馳せた武将の首を持ち帰る事を考えるだろうか。

「妥協」ポイントがわかりづらい原因は成果が不透明

成果や目的がなくただ戦を戦うだけであれば、自分の命を守ることや、目の前の敵と戦うことだけしか見えなくなってしまいます。それは非常に効率が悪い。

党首が天下統一だー!と言ってゴールを明確に共有しなければならないし、この戦であの武将を討ち取り相手の士気を下げるなどと具体的な戦略も必要です。時には自軍の武将を鼓舞するために褒美を目に見える形にする必要もあります。

相手を全滅させることは気持ちの良いことかもしれませんが、そのために深追いして自らが疲弊することはほとんどの場合得策ではありません。その間に他国に攻めこまれたらヤバい!

完璧主義者の盲点

完璧主義者は完璧100%を目指しますが、そこには大きな落とし穴が。。。

盲点1. あなたの「完璧」は誰かの「不完璧」

「完璧」は素晴らしいものの、全員が満場一致での「完璧」はほぼ不可能です。特にクリエイティブの領域においては顕著。

ビジネスは相手に喜んでもらって対価を受け取るのが原則ですから、喜びを与えた量が多い方がビジネスとして優秀だし、対価も多くなるのです。

誰かが満足しないものに時間を割くよりも、大多数が満足するものに力(時間)を割いた方が相対的にハッピー量は大きくなります。

盲点2. 「完璧」は経年変化していく

あなたがこれまでに作ってきた「完璧」は今でも完璧なまま残っているでしょうか?

時にはあなたの「完璧」の概念が変化しているかもしれないし、技術革新などで「完璧」が過去のモノになってしまっていることもあります。

完璧主義者でいる限り、過去の負債を抱えたまま生きていくことになります。そんなのツライ!

盲点3. 「完璧」を作り上げている間に周りは2歩も3歩も進んでいる

完璧を作り上げるには多大な時間がかかります。あなたが細部にこだわっている間に周りはドンドン前進していきます。新しい発見をし、新しい技術を生み出し、より高い成果を上げていきます。パレートの法則に則れば4倍の差が開きます。

完璧を妥協して成果をあげるということ

僕が完璧主義者をやめて8割で妥協するのは、より高い生産性を生み出すためです。その生産性とは、世の中に与えるハッピーの総質量だと考えています。

試しに妥協してみると、新しい世界が開けるかもよ?

 

妥協しちゃいけないポイントを逃したくない方はこちら。かなりオススメ。

三上 龍志|株式会社シンシエイト
この記事を書いた人
三上 龍志|株式会社シンシエイト
2005年からWeb制作に従事。システム開発ベンチャーでエンジニアとしてWeb開発、Webコンサルティング会社でマーケター・新規事業開発を経て2015年に当社を創業。顧客の成果に顧客よりも本気になることをテーマに、Webを通じて顧客の事業を加速させるために日々奮闘中。
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